DTP・印刷グラフィックデザインにおいて必須のツールであるMachintosh・Windowsパソコンとモニターについての詳細な解説です。パソコンとモニターの選択には慎重な検討が必要ですが、適切なツールを選ぶことで、より効率的かつ正確なデザイン制作を行うことができます。
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パソコンの選択: MachintoshかWindowsか?
DTP・印刷グラフィックデザインの制作において、まず必要なのは信頼性の高いMachintoshまたはWindowsパソコンです。どちらを選ぶかは個人の好みや予算によりますが、グラフィックデザイン業界ではMachintoshが一般的です。Machintoshはデザインソフトウェアとの親和性が高く、クリエイティブな作業に適していると言われています。
DTPが始まった当初からしばらくは、Machintoshの方がソフト・ハード共にデザイン業務用に有利なことが多かったのですが、2023年現在はMachintosh・Windows共にデザインツールに関して差はありません。むしろ、汎用性の高いWindowsの方が対応ソフトや周辺機器は多いかもしれません。ただ、そのあたり重要なものはMachintoshにも必ず揃っていると言っていいでしょう。
Windowsでも可能ということであれば、DTPマシンとして選ぶべきはWindowsでしょう。
理由は、DTP関連の拡張性はじめ、その他のユーティリティやソフトは圧倒的にWindowsの方が多く便利だからです。
さらに、データの互換の問題。クライアントや共同作業者がWindowsを使っている可能性が高く、Machintoshで作成したデータが共有できない…ということが起こるのです。
では、私はどちらを選ぶかというと、モニター付きのMachintoshです。
単体モニターは、発色が悪く、高価なものでもいろいろな表示のクセがあって使っていません。ところが、Machintoshの場合はどの製品(iMac、Macbook Pro、iPad)でも、表示が一定で、すごく見やすいのです。これがかなり見やすくて、一度Apple製品を使ってしまうと他に移れないほど表示が綺麗で見やすいというのが理由です。
そういう意味でお勧めは、iMac、MacbookPro、Macbookです。
また、その操作性もとても快適で、デザイン製にも優れWindowsにはないフィーリングがあります。
ただこれは、Windowsの汎用性を捨ててでもMachintoshを使いたい方、ということになるのかもしれません。
特に、Machintoshは拡張性が限られることがあるので注意が必要です。
パソコンのスペック: 高速なプロセッサと大容量のメモリの重要性
パソコンの選択においては、スペックも重要な要素です。DTP・印刷グラフィックデザインでは、画像処理や複雑なレイアウト作業など、リソースを多く消費するタスクが発生するため、高速なプロセッサや大容量のメモリを搭載したパソコンを選ぶことが望ましいです。これにより、作業効率を向上させることができます。
ここからは、Machintoshについて書いていきます。
数年前、MachintoshのプロセッサーがApple製のM1、M2チップに替わってから性能が一気に上がりました。
それまでは、Machintoshと言えどやすい機種を買うと遅くてDTPにはちょっと辛い…ということがありましたが、M1 Macbook Airは、プロセッサーが最低のモデルでもなかりの高性能で、DTPに十分耐えるものになりました。
そういうことで、お勧めはM1、M2チップ内臓のMachintoshということになります。(WindowsであればCore i7以上が理想でしょう。)
また、以前のMachintoshではメモリーはできるだけ多く…というのが鉄則でした。最低16G以上です。でないとIllustrator、Photoshop、テキストエディター、ブラウザー…を同時に開いていると動作が重くなりがちでした。
しかし、M1チップ搭載のMachintoshは8Gでもそれほど重くならないというので話題になりました。
それでも、実際DTPで使うならメモリーは16G以上を目安にした方がいいでしょう。(Windowsでも16G以上が理想でしょう。)
モニターの選択: カラーキャリブレーションが可能な高品質なモニターを選ぶ
モニターも重要な要素です。色の正確性や表示の鮮明さを確保するために、カラーキャリブレーションが可能な高品質のモニターを選ぶことが重要です。特にDTP・印刷グラフィックデザインでは、色の再現性が求められるため、モニターの色の再現範囲や色の正確さに注意する必要があります。
モニターのキャリブレーションについては、当然、行った方がいいのですが、実際のところ実施していない場合が多いと思われます。
モニター付きのMachintoshを使っておけば、もともとの発色が良くスタンダードに近いということで簡単な色調整でなんとか使うことはできるでしょう。最近は、写真業界では”iPadチエック”と言って、iPadの発色が信用されている場面があります。
ただ、正確な製品管理が求められる場合などは、カラーキャリブレーション機材を使用して、色を合わせておく必要があるでしょう。
これが、Apple以外の外部モニターを使うとなると、カラーキャリブレーションやっておかないと制作する本人が発色に迷わされるでしょう。
この場合のモニターは、あまり安いものでは発色・調整が良くないので、ある程度値段の高いものを選ぶことになります。
単体のモニターは安いものは、発色が良くなかったりクセがあることが多いからです。そういう意味でiMacはとても重宝するのです。
IPSパネルとカラーマネジメント: 正確な色再現と広い視野角を実現する
モニターの選択においては、IPSパネルを採用したものを選ぶことがおすすめです。IPSパネルは広い視野角を持ち、色の変化が少ないため、デザイン作業中の色の正確な確認が可能です。また、カラーマネジメントに対応したモニターを選ぶことで、色の再現性や一貫性を確保することができます。
これについてもモニター付きのMachintoshは便利です。
安い外部モニターを使うと、画面を見ているちょっとした目の高さ・角度で表示の濃さが変わって見えます。これが結構面倒なのですが、Machintoshの場合はかなり優秀で、見え方の視野角?が広く頭を動かしたぐらいでは見え方がほとんど変わりません。
もちろん、発色は綺麗で必要十分と言えます。私は、使っているiMacが使えなくなっても画面だけは使いたいと思うくらいです。
モニターの解像度: 細かいデザイン要素の確認に重要
モニターの解像度も重要な要素です。DTP・印刷グラフィックデザインでは、細かいデザイン要素やテキストの確認が必要な場合が多いため、高解像度のモニターを選ぶことが望ましいです。高解像度のモニターを使用することで、デザインの詳細な確認や修正作業がスムーズに行えます。
現在は、モニターの解像度が問題になることはあまり聞きません。
以前は、モニターが持っている解像度の種類(1280×800など)とパソコンの出力解像度が合わないと、拡大微調整するため表示がボケたりすることがあって注意が必要でした。
モニターのサイズ: 全体像を一目で確認するための適切なサイズ選び
最後に、モニターのサイズも重要な要素です。デザイン作業では、全体のレイアウトやバランスを確認する必要があります。適切なモニターサイズを選ぶことで、デザインの全体像を一目で把握することができます。作業スペースや予算などを考慮しながら、デザイン作業に最適なモニターサイズを選びましょう。
モニターのサイズは大きい方がいいでしょう。
なので、お勧めは標準の21インチで、次に27インチ。21インチは見渡して作業するのに大きすぎずいいサイズですが、印刷物でA3以上を画面に広げる場合など、27インチなど少しでも大きい方が便利です。
Macbookなどのノートの場合は、13、14、15、16インチなどになりますが、解像度が高くとても小さい画面で、細かい文字を見ることになるので注意が必要です。
最後に、ノートか?デスクトップか?という問題がありますが、これは以下の通りです。
・ゆったり作業したいならデスクトップ型(iMac)
・持ち出すことがある場合はノート型(Macbook Pro、Macbook)
ということになります。
性能は、以前はデスクトップの方が余裕がありましたが、この辺りだと性能に差はないでしょう。
注意は、ポートの数で低価格のMacbook Airなどは実質ポートが1つしかなかったりしますので、新旧の機種をよく確認して選ぶ必要があるでしょう。
Machintoshでお勧めは、
M1 Macbook Pro 14inch 16G 512Gbyte
M2 Macbook Air 15inch 16G 512Gbyte
M1 iMac 24inch 16G 512Gbyte
あたりになります。
参考リンク
・《2021年》10万円以下のおすすめカラーマネジメントディスプレイ(モニター)9選
https://kakakumag.com/pc-smartphone/?id=17375
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