印刷物作成には、高品質なプリンターとスキャナーが不可欠です。プリンターは印刷品質や印刷速度、用紙サイズの対応などを考慮して選ぶ必要があります。また、インクの種類とコストも重要な要素です。
一方、スキャナーはデジタル化や画像編集に活用され、高解像度やカラーフィデリティの高いものを選ぶことで素材のクオリティを維持したままデジタルデータ化することができます。
ここでは、プリンターとスキャナーの選び方と使い方について詳しく解説します。
プリンターの選び方と使い方
プリンターの選び方には以下の要素を考慮しましょう。
印刷品質: 高品質な出力が必要な場合は、解像度や印刷技術に注目しましょう。
印刷速度: 大量の印刷物を迅速に処理する必要がある場合は、印刷速度を重視しましょう。
用紙サイズの対応: 印刷物のサイズに合わせて、プリンターが適切な用紙サイズに対応しているか確認しましょう。
インクの種類とコスト: インクの種類や消耗品のコストはランニングコストに影響を与えます。予算に合わせて検討しましょう。
プリンターの選び方
プリンターの選択肢は、まずインクジェットか?レーザーか?があります。
プリンターの用途は、主にカラーカンプ、校正刷り、プリンター納品…などが考えられます。
カラーカンプとは、制作工程の最初のデザイン案を提出する部分で、カラーのインクジェットやレーザーの出力が使われます。
校正刷りとは、デザインが決まって実際の印刷データを作っていく途中で文字や画像などを確認するために出すものです。昔は、校正刷りはモノクロレーザーで出していましたが、最近はカラーレーザーで出されることが多いはずです。
ここでレーザーが使われる理由は、印刷フィルムを出力する際に使われるイメージセッターと同じRIP出力(フォント、図版、グラーデーション、ケイなど)がシミュレーションできるからです。ここで、インクジェットなど印刷の後工程と関連のない出力系を使ってしまうと、後で校正をやり直す必要があるため最初からRIP出力ができるプリンターを使うのです。
最近は、RIPでなくてもインクジェットで校正に耐える出力が出せるようになった?という認識で、インクジェットも使われるようですが、厳密にはRIP出力での確認が必要かと思われます。
インクジェットは色が繊細で綺麗なデザインを見せることができ、レーザーは若干色つぶれした印象がありますが、出来上がりの印刷物の印象と比べると、レーザーの方が近くなるかもしれません。(インクジェットは淡く綺麗すぐるのです)
手軽なのはインクジェットですが、制作会社などであればカラーレーザーが導入されていることが多く、フリーランスの場合は手頃なインクジェットということが多いでしょう。
フリーランスの場合、インクジェットであっても、プリントサイズはA3伸びサイズが出せるプリンターが便利です。
校正刷りなど印刷物の製作の場合、印刷物きっちりのサイズで出すことは少なく、必ず印刷物の外に断裁用のトンボをつけて出力するからです。
出なければ、A3の校正刷りを出すのにB4に片面ずつ出力して、切って、張り合わせる…という手間が発生します。
解像度に関しては、最近のプリンターであればほぼ意識することはありません。
どのレベルのプリンターであっても、ほぼ同じ解像度の仕様を持っているはずですが、念の為、他よりも劣っていないかだけ確認すればいいでしょう。
カラーに関しては、インクジェットの場合、中級レベルのプリンターであれば問題ないでしょう。
逆に、高級機になると、インクの数が多くなりインク代が膨大になるので注意が必要です。最近は、インクもタンク式でお得なものがあるので検討すればいいでしょう。
カラーレーザーの場合は、カラートナーになりますが4色固定で選ぶ余地はないはずです。
例えばA3ノビプリンターであれば以下のようなものがあります。
・EPSON EW-M973A3T
・EPSON カラリオ EP-50V
・EPSON ビジネスインクジェット PX-M6711FT
・EPSON ビジネスインクジェット PX-M6011F
プリンターの使い方
プリンターの使い方には以下のポイントがあります。
ドライバーソフトウェアのインストール: プリンターをパソコンに接続し、正しいドライバーソフトウェアをインストールしましょう。
印刷設定の調整: 解像度やカラーモード、用紙サイズなど、印刷物に適した設定を行いましょう。
インクの管理: インクの残量を確認し、必要に応じて交換や補充を行いましょう。
トラブルシューティング: 印刷に問題が発生した場合は、トラブルシューティングの手順を試してみましょう。
プリンターの動作のトラブルで多いのは、接続不良とインク詰まりによる印刷の不具合です。
これらには、すごく時間をとられることがあって、困ります。
接続不良の場合は、ドライバーの再インストール、電源のリセット、ケーブルの抜き差し…など迷わず実施することが大切です。悩んでいても時間が過ぎるだけだからです。
インク詰まりに関しては、解決法はありません…が、本当に困ることがあります。
カラーレーザーであればインク詰まりの心配はありません。インクジェットの場合は、電源を切らないことで状態をキープできる…という噂もあります。
なので、普段は自宅のインクジェットを使って、綺麗な出力が必要な場合はコンビニのカラーコピー機を使うというのもいいかもしれません。
その場合は、どれくらいのデータ容量まで出力できるか?など事前に確認しておくのがいいでしょう。
スキャナーの選び方と使い方
スキャナーの選び方
解像度: 高解像度のスキャナーを選ぶことで、デジタル化した素材の品質を向上させることができます。
カラーフィデリティ: カラーコンテンツをスキャンする場合は、カラーフィデリティの高いスキャナーを選びましょう。
スキャン範囲と対応形式: スキャンする素材のサイズや形式に対応しているか確認しましょう。
スキャナの選び方は、最近であればプリンター複合機のスキャナでいいでしょう。
印刷原稿に使うような図版は、印刷製版で事前にスキャンしてもらうことが多いからです。
本原稿として使う場合は、手書きの線画イラストなどが考えられますが、その際の解像度は使用サイズでグレー600dpiくらいあればいいでしょう。これもカラーにする際に使用サイズで360dpiにします。
ロゴマークなどをスキャンする場合は、モノクロモードの使用サイズで1200dpiというのがセオリーです。これは紙焼き時代の名残で製版用に印画紙に白黒図版(ロゴマーク)を焼くのですが、その品質が1200dipだということです。これもカラーにする際は360dpiとなります。
これらがスキャンできればいいということです。
スキャナーの使い方
解像度の設定: スキャンする素材に応じて、適切な解像度を設定しましょう。
ファイル形式の選択: スキャンしたデータを保存する際には、適切なファイル形式を選びましょう。
カラーコレクションの調整: スキャンした画像の色調や明るさを調整することで、より忠実な再現が可能です。
スキャナについては、今は昔ほど使う場面が減ったかもしれません。それは、メーカーのラインナップを見てもわかることで、以前のようにスキャナ自体が売られていません。
それは、よく写るデジタルカメラが手頃になったことがあるようで、スキャナでスキャンしていたような場面でも、今ではデジタルカメラが使われたり、手描きイラストがタブレットで描かれたりするようになったことがあると思われます。
なので、DTPをはじめるにあたって、スキャナはどうしても必要なものではないのかもしれません。
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