DTP・印刷グラフィックデザインを行う際には、素材の撮影や編集が不可欠です。デジタルカメラを使用することで、高品質な画像を撮影し、デザインに活用することができます。
しかし、数多くのデジタルカメラが市場に存在しており、どれを選べばよいのか迷ってしまうこともあるでしょう。そこで、本記事ではデジタルカメラの選び方とおすすめモデルについて詳しく解説します。
CONTENTS
デザイナーがデジタルカメラを使う場面とは?
最近では、以前よりもデザイナーがデジタルカメラを使う場面が増えてきました。
その例を簡単にピックアップしてみます。
・ダミー写真(写真やビジュアルの仮の写真を撮る。
・予算の都合でカメラマンに依頼できない本番用の写真を撮る。(取材、人物プロフ、店内風景、料理などのメニュー用…
・手書きイラスト・カット(カラーイラストの接写、線画のスキャン代わり…
・イメージ写真(デザイナーがビジュアルを作成する場合の元素材として自分で撮る。
・素材フォト代わり(レンタルフォトや素材フォトの予算がない、内容が合わない場合自分で撮る。
と、こんな感じで、撮る写真も様々です。
しかし、本番写真を撮る場合は、カメラマンの代わりということで撮影に関する専門知識が必要です。
ダミーは後でカメラマンが撮り直します。
ビジュアル用の元画像は、撮った後でレタッチなど加工するので比較的ハードルが低いかもしれませんが、これも普通はカメラマンに依頼します。
最近は、予算が下がっておりなんでも節約する傾向にありますが、撮影に失敗する可能性を考えると安請け合いは禁物です。
写真のノウハウというのは意外と深く難しいので、自分で撮影しないとしても基礎知識くらいは知っておく方がいいでしょうし、デザイン制作に役立ちます。
素材の撮影に必要なデジタルカメラの選び方とは?
まず、デジタルカメラの選び方ですが、いくつかの重要な要素を考慮する必要があります。
センサー解像度
一つ目は解像度です。解像度が高いほど、より鮮明で詳細な画像を撮影することができます。特に、印刷用素材として使用する場合は、高い解像度が求められますので、注意が必要です。
2023年現在の主流は、2600万画素くらいでしょう。デザイナーが本番使用する素材を撮ることは少ないと思うのでこれくらいの解像度(1800〜2600万画素)があれば足りるでしょう。
センサーサイズ
二つ目はセンサーサイズです。センサーサイズが大きいほど、より多くの光を捉えることができます。これにより、より明るくクリアな画像を撮影することができます。素材として使用する画像は、鮮明で細かい情報を伝える必要がありますので、センサーサイズの大きなカメラを選ぶことをおすすめします。
以前は、印刷原稿を撮影するには、フルサイズセンサーサイズが必須でした。しかし、2023年現在、APS-Cでも印刷に耐える撮影ができるようになってきました。それは、解像感やノイズや発色の点で条件がクリアされたからです。
ポイントは、高感度耐性性能とローパスフィルターレスであるということです。
高感度耐性性能は、ISO感度800くらいから上の場合に、どれくらいノイズが少ないかということです。1600、3200、6400、12600…と高くできますが、6400くらいまではノイジーでも使えると便利です。
ローパスフィルターレスは、それだけでかなりの精細感・解像感が増します。これのおかげでAPS-Cでもフルサイズ並みの精細感・解像感が得られます。
レンズ
また、レンズの性能も重要な要素です。カメラ本体の性能だけでなく、レンズの性能も画質に大きな影響を与えます。明るいレンズやズーム範囲の広いレンズなど、撮影のニーズに合わせたレンズを選ぶことが重要です。
レンズは、カメラマンであれば、いろいろな撮影対象に合わせてそれなりのズームレンズが必要ですが、デザイナーがカメラを使う場面を考えると、必要なのは…
・24-120mm/F4 取材など様々な場面に対応する。
・50mm/F1.4か1.8 デザイナーが自分でイメージカットを撮影する場合にあると便利。
くらいでしょう。
さらに、カメラの操作性も考慮すべき要素です。使いやすい操作系や便利な機能があると、素材の撮影がスムーズに行えます。また、撮影後の画像編集においても、カメラの使い勝手が良いと作業が効率化されます。
カメラの操作性は、各社それぞれですが、プロのカメラマンでなければそれほど気にすることはないでしょう。
高品質な素材作成に欠かせないおすすめデジタルカメラモデル
さて、デジタルカメラの選び方について紹介しましたが、次にデザイナーにおすすめのデジタルカメラモデルをいくつかご紹介しましょう。これらのモデルは、素材の撮影において高品質な画像を提供し、デザイン作業に大きな助けとなるでしょう。
デザイナーが持つデジタルカメラとして、価格を抑えた機種を選んでみます。
フルサイズ機の中で、比較的安いもの
・Canon EOS RP
・SONY a7c
・Nikon Z5
APS-Cセンサーで、比較的価格を抑えながら十分な性能なもの
・Canon EOS R10
・Nikon Df、Z50
・FUJIFILM S10、XT30
・SONY a6100、
プロフェッショナル向けのモデルの中で、比較的安いもの
・Canon EOS 5Dmark4、6Dmark2
・SONY a74
・Nikon D7500
これらのモデルは、素材の撮影において優れた性能と機能を提供します。個々のニーズや予算に合わせて、最適なデジタルカメラを選ぶことをおすすめします。
デジタルカメラは近年価格が高騰気味なので、どうしても必要という場合を除いて、低価格モデルを買うか、カメラを持たないか、でもいいと思われます。
また、カメラは中古で買うことも多く、特にレンズは中古でもほとんど問題ありません。
この場合は、マップカメラなど有名でサービスの安心な中古業者から購入することをおすすめします。
・マップカメラ(中古)
https://www.mapcamera.com/search?sell=used
参考サイト
・Canon https://kakaku.com/camera/digital-slr-camera/itemlist.aspx?pdf_ma=14&pdf_so=p2
・Nikon https://kakaku.com/camera/digital-slr-camera/itemlist.aspx?pdf_ma=58&pdf_so=p2
・SONY https://kakaku.com/camera/digital-slr-camera/itemlist.aspx?pdf_ma=76&pdf_so=p2
・FUJIFILMユーザーブログ https://lifephoto.work/
フォトエディティングの基本テクニックで素材を一段上のレベルへ
素材の撮影と編集に役立つデジタルカメラの選び方とおすすめモデルについて解説しましたが、撮影後の画像編集も重要な要素です。ここでは、フォトエディティングの基本をいくつか紹介します。
明るさやコントラスト
まず、明るさやコントラストの調整です。画像の明るさを調整することで、素材の雰囲気や表現力を変えることができます。また、コントラストの調整により、画像の鮮明さや立体感を引き出すことができます。
色調補正
さらに、色調補正も重要な要素です。色温度や彩度、色相の微調整によって、素材の雰囲気や印象を変えることができます。色のバランスを調整することで、デザインにより一層の統一感や魅力を与えることができます。
シャープネス
また、シャープネスの設定も忘れてはなりません。画像の輪郭を強調することで、よりクリアな素材を作成することができます。
これらの基本的な編集テクニックを駆使することで、撮影した素材を一段上のレベルに引き上げることができます。フォトエディティングソフトウェアを使いこなし、独自の表現を追求してみてください。
DTPにおいて、写真素材は印刷・製版工程でエディットされることが多いのですが、デザイナーが写真素材を渡されて写真画像のエディット(明るさ・コントラスト・色調・シャープネス)をすることも少なくありません。
そこで使用するソフトはAdobe PhotoshopやLightroomです。これらのソフトの使い方やエディットの加減(どの程度の調整でどう印刷されるか?)なども勉強する必要があります。これはなかなか難しいのですが、自分で実験的にエディットしたものを印刷通販などで印刷してためすなどすれば感覚を掴むことができるでしょう。
まとめ
素材の撮影と編集に役立つデジタルカメラの選び方とおすすめモデルについて解説しました。デジタルカメラの選び方や編集の基本を押さえ、高品質な素材作成に役立ててください。クオリティの高い素材は、デザインの魅力を引き立てるだけでなく、クライアントや視聴者にも好印象を与えることができます。是非、この情報を参考にして、素材作成のスキルを向上させてください。
コメントを残す