DTP(Desktop Publishing)は、印刷物やデジタルメディアの制作において重要な役割を果たす分野です。その中でも、IllustratorはDTPグラフィックデザインにおいて非常に強力なツールとして知られています。この記事では、Illustratorがどのようなものを制作するために使用されるのかについて解説します。
CONTENTS
Illustratorでどんなものが制作されるのか
Illustratorは、ベクターグラフィックスを扱うための優れたソフトウェアです。ベクターグラフィックスは、図形やイラストを数学的な形状として表現する方法であり、拡大・縮小しても画質が劣化しません。そのため、
・ロゴタイプ、シンボルマーク、アイコン
・イラスト
・地図、グラフ、チャート、表
・テキスタイルのパターン
・文字、フォント
・名刺、カード、チラシ、ポスター
・リーフレット、パンフレット、少ないページ数のページ物
・パッケージデザイン
など、さまざまなものがIllustratorで制作されます。
Illustratorの特徴的な機能として、パスやシェイプの作成や編集、テキストのデザイン、グラデーションや効果の追加などがあります。これらの機能を駆使して、クリエイティブなデザインを実現することができます。
Illustratorで版下を作る、印刷データ制作の基本
DTPグラフィックデザインでは、印刷物の制作において版下(レイアウト)を作成することが基本となります。版下は、印刷物の各要素の配置やサイズ、フォーマットなどを決定する重要なステップです。
Illustratorを使用して版下を作る際には、以下のような基本的な手順があります。
・まず、カラーモードの設定を行います。カラーモードは基本的にCMYK(カラー印刷)かグレー(一色印刷)を選択します。
・トンボを描いて用紙サイズを設定します。用紙サイズは印刷物の実際の大きさを指定し、余白は用紙の周囲に空白を設ける領域です。トンボには、線設定(線幅=0.3pt)とカラー設定(CMYK=100%、100%、100%、100%)をしてカラー分版に対応させます。
適切な用紙サイズと余白を設定することで、印刷物がスムーズに制作できます。
・次に、グリッドやガイドを使用して版面の基準線を設定します。グリッドは均等な間隔での縦横の線を表示し、ガイドは任意の位置に設定する線です。これらの基準線を使用することで、グリッドデザインと言われるようなメソッドの元でデザイン制作が進められ、要素の配置やサイズを統一しやすくなります。
以上を設定したら、テキストや画像、図形などのコンテンツを配置してデザイン制作が始められます。
Illustratorの重要なテクニック
Illustratorには、DTPグラフィックデザインにおいて役立つさまざまなテクニックが存在します。以下では、特に重要なテクニックについて紹介します。
一つ目は、テキストのスタイリングです。
Illustratorでは、文字のフォント、サイズ、カーニング(文字間の調整)、行間など、細かなテキストのスタイリングが可能です。デザインに合わせてテキストを美しく整えることで、印刷物の見栄えを格段に向上させることができます。
デザイン制作でテキストのカーニングを調整することは、まず最初に習うテクニックです。文書によって隣り合わせた文字の間隔が狭かったり広かったりするので、これをひとつひとつ調整するのです。この手作業は主にタイトルや見出しなど大きな文字に対して行います。本文などの文字数の多い小さな文字は、Illustratorのスタイル調整機能で一律で設定ができます。なお、この昨日は使っているフォントが文字詰め情報を持っていなければ設定をしても文字詰めに反映しません。
二つ目は、シェイプやパスの編集です。
Illustratorのパスツールや形状ツールを使って、図形やアイコンを作成したり、既存の図形を編集したりすることができます。正確なパスの作成や編集に慣れることで、デザインの自由度が広がります。
Illustratorのパス編集はとても柔軟で、ビットマップデータ以外のデザインに使う様々な要素をなんでも作り出すことができます。なのに、Illustratorのテクニックの基本は単純なものです(直線と塗りと曲線)。なので、そのテクニックは奥が深く熟練度によって出来上がるものが大きく変わってしまいます。Illustratorの基本テクニックは特に修練を積むことが必要です。
三つ目は、レイヤーやグループの活用です。
レイヤーを使用することで、デザインの要素を分類して整理することができます。グループを作成することで、関連するオブジェクトをまとめて操作することができます。レイヤーやグループを適切に使用することで、複雑なデザインでも効率的に作業することができます。
IllustratorのDTPに関する知識
DTPグラフィックデザインにおいて、Illustratorを使いこなすためには、印刷物の仕様や用語などいくつかの基本的な知識が必要です。
例えば…
・カラーモード
CMYKは、印刷物で使用されるカラーモードであり、Cyan(シアン)、Magenta(マゼンタ)、Yellow(イエロー)、Key(ブラック)の4色を組み合わせて色を表現します。
RGBはデジタル表示や画面上で使用されるカラーモードであり、Red(赤)、Green(緑)、Blue(青)の3色を組み合わせて色を表現します。
・トンボや切り落としマーク
・フォントのアウトライン化
・カラープロファイルの埋め込み
印刷データ制作に関わる用語や手順を把握しておくとスムーズな作業が可能になります。
以上が、DTPグラフィックデザインにおけるIllustratorに関する内容です。I
llustratorを使った制作物の幅広い可能性や基本的な印刷データ制作の手法、重要なテクニック、DTPに関する知識を理解することで、より高品質な印刷物を制作することができます。
ぜひこれらの情報を参考に、Illustratorの活用を深めてください。
コメントを残す