みーこ(斧ヶ岳美位子)の事件は実在の「栃木実父殺し事件」をモデルにしている。
ドラマでは、みーこは実の父親から性的虐待を受け続け、3人の子供を生まされ、その挙句に起きた存続殺人事件である。
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参考:尊属殺重罰規定違憲判決
ドラマでは、存続殺人とみなされたミーコの事件の量刑が、違憲であるとよねが最高裁判所の大法廷で、弁護する。
これは、モデルとなった実際の事件でも、当事件の弁護人である「大貫大八」が同じ最高裁判所の大法廷で弁論を行った。
刑法第200条の違憲性を主張するとともに、傷害致死罪や正当防衛、緊急避難、過剰防衛などの見地からも主張だ。
その口頭弁論は以下のようなもの…
「刑法二〇〇条の合憲論の基本的理由になっている『人倫の大本・人類普遍の道徳原理』に違反したのは一体誰でありましょうか。本件においては被告人は犠牲者であり、被害者こそその道徳原理をふみにじっていることは一点の疑いもないのであります。本件被害者の如き父親をも刑法二〇〇条は尊属として保護しているのでありましょうか。かかる畜生道にも等しい父であっても、その子は子として服従を強いられるのが人類普遍の道徳原理なのでありましょうか。本件被告人の犯行に対し、刑法二〇〇条が適用されかつ右規定が憲法十四条に違反しないものであるとすれば、憲法とは何んと無力なものでありましょうか」
これ、ドラマ中でよねさんが演説したまさにあのシーンとそっくりです。
ドラマの冒頭から現在まで、頑なに態度を崩さず、女性であるがゆえに自らが受けた不利益を、法の下では平等に正そうとして来たよねさん。
このドラマで、よねさんはこんな大きな役割を担っていたのですね。
最後の最後でその役割を遂行したのです。
ちょっと感動的です。