アートって何?アートという言葉の出どころ。

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アートって、いろいろなところでよく聞く言葉。
しかし私は、いろいろな人やメディアがその場その場で独自の解釈をしているのでは…という気がしている。
例えば、有名なイラストレーターの展示で「○○○○のアートな世界」とか。
また、地元で活動しているような独学で絵を描くおばちゃんに、「○○さんはアーティストやなー」と言ったりもする。

アートって、本当はどんなものなんだろう?
これまで自分では、なんとなく聞いた知識で、自由な表現を見た時…アート?と定義していたように思う。
こんなふうに、世の中の誰もが、ちらっと聞いたり見たりしたものを統合して、独自の解釈でアートを定義しているのではないだろうか。

しかし、アートの源流と思われる美術史について少し調べてみると、ぼんやりとアートというものがわかってくる。
ある説?だと、アートの源流はギリシャ・ローマの美術。そこから始まった絵画や彫刻の流れが現代まで流れてきて、今、現代アートに繋がっている。
もちろん、そんな流れと並行して展開している絵画・彫刻の流れもたくさんある。

しかし、現代ではアートという言葉の出どころは「現代アート」のように思う。
そこで使われているアートという言葉が、ニュースやマスコミによって広がり、さらに人と人のコミュニケーションによって広がって、自分のところまでたどり着いている。
ニュースで言っていた作家の展覧会や、TVで芸能人が言っていたアーティスト…などの言葉が頭に溜まっていって、いつしか自分のアートの概念が出来上がっている…。
そんな感じではないだろうか?

だから、現代アートをやっている彼らからすると、アートを正確に勉強していない場合その解釈は…おそらく間違っている。

極端な言い方をしてみると、アートは現代アートで使われる言葉。
そこでは、現代アートギャラリーが取り扱っている作家のことをアーティストと呼び、その作品をアートと呼ぶ。
だから、世界の3大ギャラリーに所属している人だけがアーティストで、そこで取り扱っているものだけをアートという。
もちろん、そこに通ずるような活動をしている作家たちも、予備軍としてアーティスト・アートと呼べるだろう。

ここで、アートという言葉は、実は一般用語ではなく、ある業界の専門用語ぽいことがわかってくる。

まあしかし、実際にはこんなにシビアなことはないだろう。
しかし、ここが発信元ということを知っておくことで、アート・アーティストをいう言葉のブレ?を正確に想定することができる。

さらに、そのアートと呼べるものには現代アートをやっている彼らなりの要件がある。

例えば、現代アートでは、美術大学などで専門の教育を受けていることもアート・アーティストと呼ばれるための大きな要件だ。
CVにどこでアートを勉強したかを書き、作品が売買・選考される時には書類審査で、作品の価値を評価する。
つまり、専門機関で勉強していることが、その作品の価値の一要素になっていて、そうでないものは単純に価値が下がる。
別に、教育を受けていなくてもいいがその点での評価が下がるだけ、問題はそれがどれくらいの配分かだろう。

これを聞くと、美術の教育を受けていないアートブリュットというものもある、と言いたくなるがここでは置いておく。

現代アートでは文脈が重要視される。
創作物である絵画には様々な要素が書き込まれている。書き込まれた要素(例えばりんご)は、どれも理由と意味があって描かれていて、どれひとつとして適当に書かれたものはない。
今残っているアートと呼ばれる過去の絵画たちは、どれもこの法則が成立していて、じっくり見て読み解くことに耐える作品になっている。
これは、現代なら芸大などで勉強しないと知識も技術も習得できないだろう(一般的には)。
逆に、教育を受けていない作家にはそんな芸当はできない。だって知らないのだから。。。

しかし、これは現代アートでのこと。現代アートのフィールドで評価されたければ必要ということで、別の場所で勝負するなら必要ない。
また、後から別の場所で勉強して理論武装することも可能だろう。

何が言いたいのかというと、我流で絵の勉強を始めて、ダビンチのような画力を手に入れたとしても、アートと呼ばれるためにはそれ以外にも必要なことがたくさんある…ということ。

つまり、”アート”は現代美術をやっている業界の専門用語で、私たちはそうとは知らずアートという言葉を使っている。
遠く離れた一般人が現代アートの作品だけを見て描けるようになったとしても、見た目は似ていても中身や意味は全く違うもの…ということかもしれない。

だから、極端な「アートとは何か?」というところから考えていく必要があると思う。
そうすると、現代に溢れている広い意味でのアートを的確に評価・判断して仕分けることができるようになる。
「一般的なアート」を許容して整理することができるのだと思う。

…なんでこんなことを書いたかというと、
最近通っている、絵画の対話鑑賞。
一般客だけで、一つの絵画をじっくり見て、気づいたことを話し合って鑑賞を深めていくのだけど。
現代に残っている絵画は、どれも深読みに耐えるだけの構成がされていて、描かれているものに意味のないものなんて一つもない。
自分なら、意味もなく気分で描くものを決めてしまいそう…と思ったら、これは美術を勉強しないとできないな…と思ったから。
現代の作家さんたちも、活躍している方々はほぼ芸大卒…というのを聞いたこともある。

そんなことで、それをメモしておきます。
まあでも、あくまで一方向から見た…ときのお話です。
そして、あくまでだれかに評価されたいときのお話。
アート作品の要素は、これ以外にも、エステティック、時代性、作品力、問題提起、作者と社会の関係性、作るべき理由、過去アート文脈との関係…などいろいろあるだろう。

(初回書き殴りです。)

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